10年後、人々はどんな野菜が食べたいのだろう。こんな野菜があったらいいな。そんな理想の野菜が実る種が完成するまでにかかる時間は、およそ10年。
育種は10年後の未来を想像することからはじまります。
“こんな野菜を実らせたい”という育種目標が決まれば、理想に近い特徴をもつ野菜をさがし、種を採ります。その種を撒き、育て、観察し、育種の素材となる野菜を決めるのです。
素材の野菜の種を撒き、育て、実った野菜を収穫し、育種目標に向かっているものだけを選抜します。選んだものからまた種を採り、それをまた撒き、育て、収穫し、選びます。これを何度も何度も繰り返しながら、少しずつ理想の種のカタチに近づけてゆきます。種ひと粒のなかには、10年もの間手塩にかけて育てた、作り手の想いが詰まっているのです。